キライなんです……
「……颯太と話さなきゃ」


「……そうだな」

蓮センパイは眉をひそめた。


「ごめんな。ややこしいことになって。

順序おかしいよな。

……あいつにはオレが話すから」

「……ううん、大丈夫。

ちゃんとあたしが自分で言う」

「……」


蓮センパイは、しばらくじっとあたしの目を見て、やがてにっこりうなずいた。



「ところでさ、センパイじゃなくて、蓮って呼んで」


「……え」

「1,2,3、はいっ!蓮♪」

指揮者のように、人差し指を振る。


「……蓮」

「そう、上手上手」


あたしたちは、二人で笑い合った。
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