キライなんです……
「……え?」


「自分の下手さを女の子のせいにしないでね!」


「…………」


絶句する颯太を後にして。



(……ちょっと言い過ぎたかな?)


ちょっぴり気にしつつ。

言いたいことを言ったあたしは、すっきりして、ふたたび歩き出す。





しばらく歩くと。


木の陰から蓮センパイが不意にふらっと姿を現した。

あたしの肩に手を回して、並んで歩き出す。


「……杏奈、大丈夫?」

「……はい」


肩越しに振り返ると。

さっきの場所に突っ立ったまま、颯太がこっちを見てるのが見えた。
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