愛 生 ~aisyou~
中へ入ると、
和風な線香の匂いがして来た。
家具も和風で揃えていて、
何だか気持ちが和んだ。
「 はい40人分盛ったから、
一人ずつ取りに来てね。 」
おばさん…桃木さんはそう言って
にこりと笑むと、
先頭の男子にカレーを手渡した。
「 うわー美味そう…。 」
男子の発言に、
皆がごくっと息をのむ。
全員に行き渡ると、
すぐにカレーを食べ始めた。
もうそのカレーが美味しい事…。
思わず笑みが零れてしまうほどだった。
「 美味しいねカレー。 」
「 ほんっと!! 」
あややんと二人でカレーを褒めながら
パクパクとカレーを頬張る。
甘いようで辛いような、
そんな中間な味。
桃木さんのカレーは
市販のと訳が違っていた。
これぞまさしく、
「桃木カレー」
…なんてね。