想いよ、届け
キライ
「好きだったの…」
「……ごめん」
一瞬で終わったあたしの恋。
ずっと大好きだった男の子に、勇気を振り絞って告白したのに……。
こんなことがあったのは、中学校の卒業式。
そして今は、高校の入学式。
なんでそんな前のこと、思い出したかって?
それはね、………
「なんで、あんたと同じクラスなのよー!?」
「う、憂!落ち着いて…」
あの日、あたしを振った男の子……小野寺淳平と同じクラスになってしまったから。
「なんでこの高校入ったの!!」
「そんなの俺の勝手だろ?」
しかも、よりにもよって淳平はあたしの斜め前の席。
「……有り得ない…」
どうやらあたしは、これからの高校生活を頭を抱えて過ごさなきゃいけないようだ…。
―回想中―
「好きだったの…」
「……ごめん。俺、サッカーよりも好きなもんないからさっ!」
「……………は?」
「てか、お前が俺のこと好きなの知ってた」
「…なっ!?///」
「わりーな…じゃっ、そういうことで☆」
教室に走って戻ってしまった淳平。
「…淳平の、バカーー!!!」
―回想終了―
思い出しただけでもイライラする。
そんな様子を、こっちを見てへらへらと笑っている淳平…。
「………なに」
「別に?」
「………キライ」
「前は好きだって言ってたのに?」
「…っ!!あんたなんかっ、大っキライ!!!」
やっぱりあたしの高校生活は、波乱の幕開けでした。
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