恋愛短編集
素直なキモチ
わたしには付き合って半年になる彼氏がいる。
ほんとかっこよくて、優しくて……大好き、なんだ。
「涼くん、お疲れさま」
今日は彼、涼くんのバスケの試合があった。
もちろん、試合には勝ったんだけど。
「見に来てたんだ」
「うん。すごかったよ!今帰りなら一緒帰ろ」
「いいよ」
一緒に帰るとき、ふたりの手が触れ合って、涼くんがわたしの手を包むように、わたしたちは手を繋ぐ。
付き合って半年なのになんだか、まだ慣れなくて
でも幸せだなぁって思うんだ。
会話を切り出したのは、わたしだった。
「今日ね、」
「うん?」
背の高い涼くんがわたしの方を見る。
「涼くん、試合が終わった後、女の子に呼び出されてたでしょ。見てたんだよ」
少しの間が空いた。
「ゴメン。でも、ちゃんと断った」
申し訳なさそうにいう涼くん。
「それはわかってる」
彼を責め立てたいわけではない。
それに、こんなことは今日に限ったことではなくて、以前にも何度も涼くんは女の子に告白されているのだから。
今回も涼くんはきちんと断ったと言ってくれた。
ちゃんとわかってる。
でも………