運命
出会い
ある日突然、私は母から
「私とお父さんね。離婚するの。」
と、突然告げられた。
高校一年生の私は、
離婚の意味がわからなかったわけでもなく。
母も父も浮気していたことを知っていた私は。
冷静に、私は「どっちに引き取られるの?」
と、ただただ思うだけであった。
私の質問に対して
父の答え残酷なものであった。
「もう、瑠依も高校生だろ。一人で暮らすことができないわけでもないし、
ひとりでくらしなさい。金ならいくらでも出すから。」
どうして?
どうして?
どうして、運命はこんなにも残酷なの?
どうして、わたしだけ??
私の頭の中にはその言葉と、
玄関を出る母の
赤いヒールの音だけが響いた。
できるなら、この世界の悲しみをすべてなくしてほしい。