十二人目の彼氏は
1 とある屋上
「……めんどくさい」
高校二年生の、二島 桜は呟いた。と言っても私の事だけど。
授業サボるならやっぱ屋上でしょーと、誰かが言っていた。
なるほど確かに気持ちいい。
授業をサボったというのにこの罪悪感の無さ。癖になりそう。
……ガチャ。
ドアが開いた。先生が来たのかと思って血の気がひいたよ……。
「何だ。瀬川か」
私が言った。
「んだよ……文句でも?」
「………………………………いや。……特に、ない、と。……思う」
「……正直者に傷つけられるって言うのは、こんな感じか」
瀬川 攻(せがわ こう)。唯一生き残った、八人目の彼氏。
ケンカして分かれたっていうのに、何で未だに仲が良いんだろ。
高校二年生の、二島 桜は呟いた。と言っても私の事だけど。
授業サボるならやっぱ屋上でしょーと、誰かが言っていた。
なるほど確かに気持ちいい。
授業をサボったというのにこの罪悪感の無さ。癖になりそう。
……ガチャ。
ドアが開いた。先生が来たのかと思って血の気がひいたよ……。
「何だ。瀬川か」
私が言った。
「んだよ……文句でも?」
「………………………………いや。……特に、ない、と。……思う」
「……正直者に傷つけられるって言うのは、こんな感じか」
瀬川 攻(せがわ こう)。唯一生き残った、八人目の彼氏。
ケンカして分かれたっていうのに、何で未だに仲が良いんだろ。