十二人目の彼氏は
3 火が灯る
「ハッ、何ソレ?」

 俺、瀬川 攻は帰り道の途中に見た。
 
 あいつと付き合っている高島とやら。

 あいつ、金持ちのボンボンのハズだよなァ?

 ……何で、ダンボールの家に入るんだよ、テメェ。

 成る程。つまり

「……ああそっかー。騙されてた訳ねーハハハ」
 
 思いだす。高島の一言を。

    「君じゃ無理だから諦めろ」
 ……何がだよ、ソレ。何が無理何だ?

 ケンカなんてしたのは、きっと、わざとだ。

 経済力、ルックス、成績。

 全てがあいつに劣っていて、俺じゃダメだと思ったから。

 ……ムカつく。

 ……高島の声が、聞こえる。

 ……おい高島。

 ……テメェ何を、言ってんだよ……!?
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