LOVER'Sハウス
事件解決 親友と王子様
*春奈side*
早く、早く、早く!
そう思いながら、屋上まで走った。
紗来が心配で、心配で、あたしは不安で押し潰されそうになってた。
そんなあたしの思いを察したのか、
「紗来は大丈夫だよ。」
「あぁ。あいつは強い。」
「簡単にはやられない。」
・・・みんな…。…あたしはこの時気付いたんだ。
一…きっと、みんな紗来のこと分かってて…紗来のこと、特別に思ってくれてるんだ…って。
…紗来を想ってくれてありがとう。
あたしが言うことじゃないかもしれない…でも、嬉しかった。紗来を想ってくれる人達がいて。
ありがとう…って言いたくなった。
一…あたし達は走った。屋上まで全速力で…。
一ガチャ…
「さ、紗来!!!!!!!」
屋上に着いてドアを開けた。
入って目に飛び込んできたのは……傷だらけの……紗来の姿。
それは、ひどいもので…。顔にはたくさんの傷。他ににも所々傷があった。
それでも…抵抗している紗来がいた。
あたしは倒れそうになった。…そんなあたしを元くんが支えてくれた。