LOVER'Sハウス
…はぁ。一人で泳いでもなぁ。全然楽しくないし…。
あたしは、持ってきた浮き輪に掴まりながら、水の流れに沿って進む。
…やっぱり、海は広いし、すごく綺麗。…でも、なんでかな?初めてきた感じがしないのは…。
…てか、みんなはいつまで囲まれてるわけ!?!?
あー、イライラする!
…ん?イライラ??なんで??
一…あたしは一度、海から上がり、水が届くところの浜辺に座った。
…あーあ。なんかみんながいないと楽しくない…。
でも!あたしをほっといて、女の子達と話すって…どうゆうことよ!!!もう!
一その時、誰かに肩を叩かれた。
・・・誰?
そう思って、振り向く。
「紗来!よっ!」
『翔!!どうしたの??』
そこには、同じクラスの男の子、翔が立っていた。
「ん?遊んでたら、紗来が見えたからさ。来てみた!」
あ、翔のこの笑顔、好きだなぁ。…安心する。
『そっか。…海って綺麗だよね…。』
「…紗来、どうかした?」
『え?』
「いや、なんか元気ないから。…楽しくない?」
あたし、なに落ち込んでるんだろ。海を楽しみに来たのに…。
………。
…そっか。あたし、みんながいなくて寂しかったんだ…。