LOVER'Sハウス


「ちょ、離せ!重いし。」


『ひどー!久しぶりに会ったのに!!』




あたし達の光景と会話を聞いて、ただ黙って見ている他の寮生たち。



一まぁ、あたし達が兄妹ってことは夏野と悠介と陽呂しか知らないからね。





「てか、なんでここに紗来がいんだよ!」


『え!?元、パパとママから聞いてないの??』


「はぁ??なんも聞いてねーけど。」



ママったら、なんで元に言ってないのよ!あらかじめ言っておいてよね。



『あたし、今日からここの寮母さんになったから!で、住むから!』


「はぁ??なんでだよ!親父たちは!?」


『パパもママもアメリカ行っちゃった!会社のお仕事なんだって。社長も秘書も大変だねー。』



あたしの言葉を聞いて、驚くみんな。って、元から聞いてないの!?あたし達の両親のこと。


「まじかよ…。許可は出てんのか??」


『うん!バッチリ!!理事長の美奈子さんがOKしてくれたの。』


美奈子さんと発言すると、ビクッと肩を揺らす、陽呂。笑える。



「で、いつまで?」


『んー、ママ達が帰ってくるまでだから…一年間だね。』


「一年か…。しょーがねーな。なんかあったら俺に言えよ?」


『うん!ありがと、元。』 
 
< 20 / 183 >

この作品をシェア

pagetop