LOVER'Sハウス
『…ねぇ、壱くんさ、あたしと出会った日のこと覚えてる??』
「…覚えてるよ。紗来ちゃん、迷って泣いてたじゃん。」
『あはは。そうだったね。………あたしさ、あの時から壱くんのこと好きだったんだ…。』
そう言って、あたしは今までの気持ちを壱くんに全部話した。
壱くんは頷きながら、あたしの話を真剣に聞いてくれた。
…そんな壱くんの優しさがすごく嬉しかった。
『…壱くんの好きな人って、梨子でしょ?』
「え!?!?な、なんで!」
…顔真っ赤だし。いつもの壱くんからは考えられないような顔。
『見てれば分かるよ。がんばってね!』
「…ありがとう。…あのさ、……前みたいに友達でいてくれる?」
『あたりまえじゃん!なんかあったら相談してね。』
「よかった!ありがとう。じゃ、俺部活だから。」
『うん!また明日。』
そう言って、壱くんは屋上を出ていった。
…なんか、胸の奥のかたまりがとれたみたいにスッキリしてる。
それに、あんまり悲しくない。涙も出ない。
・・・・・・どうして??
まぁ、いっか!これで気持ちに踏ん切りついたし。
また新しい恋でもしよう!