LOVER'Sハウス

*真斗side*




…俺とあいつの出逢いは、最悪だった。



あいつはきっと、覚えていない。…あの、入学式の時のことを。



−一年前



俺は花園学園に入学した。ここらじゃ名の知れる、有名高だった学園は、俺にとって都合のいいところだった。



…毎日、父親の手伝い。



それがどんなに嫌だったか。…親父は今じゃ、業界トップの有名企業の社長。


俺は小さい頃から習い事をさせられたりして、将来親父の会社を継ぐようにと言われてきた。




…そして、高校入学。俺はなんの迷いもなく、花園学園を選んだ。



一理由は…寮の存在。



もう家にはいたくなかった。あそこは、息苦しい。


親父に言うと、やっぱり反対した。でも、俺だって簡単には諦めない。


毎日説得していたら、やっとのことで許しがでた。



…そして、許すかわりに条件を一つ。




一『卒業したら、会社を継ぐ』



………俺は仕方なく、その条件をのんだ。



一そして、入学式。



俺はあいつと出逢った。
 
 
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