LOVER'Sハウス

一俺は新入生代表で、壇上に上がった。



女たちは、みんな俺を見ていた。


ま、当たり前か。俺、顔いい方だし、…性格も女たちが言うにはいいらしい。


一まぁそれも、自分の性格を偽って、優しい王子様…みたいな感じにみんなに接していたから。


…本当の俺は最低奴で、ただ親父から逃げたくてこの学園に来た、臆病者なのに。



俺は、"北原財閥の御曹司"と言う名誉を傷つけないために、偽りの自分で学校生活を送ることにした。



…でも、そんなことしたって、自分が疲れるだけだ。

分かってた。でも、もう俺の将来は決まっているんだ。今さら、抵抗もなにも、できない。





一壇上で、新入生代表挨拶をする。



…その時、視界に入った一人の女。





一あいつ、俺のことめちゃくちゃ嫌そうに見てる。



そんな奴、初めてで俺は目を奪われていた。…同時に、あいつを手にいれたいとも思い始めていた。



…運がいいことに、あいつと俺は同じクラスだった。しかも、隣の席。


そして、二年に進級した俺。…またあいつが隣にいた。




……絶対、手にいれてみせる。


そう思った、高二の春。
 
 
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