LOVER'Sハウス


一…閉会式。




あたしは一人、浮かない顔をしていた。


…倒れたらどうしよう。だって、今まで人前に出ることって全然なかったから。


一しかも、今回は700人はいる大観衆。


誰か、あたしを助けて!



一元はあたしにそう言ってから、スタスタと真斗とステージの方に行ってしまった。




・・・・・・最悪だ。



「なに浮かない顔してんのよ!もうすぐ表彰よ?」


『…わかってるよ…!でも緊張するんだもん!!!!』


閉会式もクラス順だから、春奈が隣にいた。


「大丈夫!みんながみんな、紗来を見てないって!」(本当は見てると思うけど。…特に男子が。)


『…ホント??』


「うん。大丈夫よー!」
(本当は大丈夫じゃないかもだけど。…紗来、モテるから。)



春奈にそう言われ、あたしは安心していた。


そうだよね!みんながあたしだけを見てることはないよね!!!!!






「では、表彰に入りたいと思います!…まずは、バレー。…優勝、C−Aチーム!!!!!」


と、司会者が声を高くする。あー、あの人がうらやましい。
 
 

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