LOVER'Sハウス


「紗来、行くぞ!」


『へ?いや、あたしは一人で行くから。みんな先に行っていいよ。』



…だって、あたしがみんなと一緒に登校なんてしたら…全校女子を敵に回すことになる!!!!!


そんなの、怖くて無理!


「は!?なに言ってんだよ。早く行かねーと遅刻するだろ。」


と、元に言われてちょっとムッっとする。


「早く行こ!遅れる!」


今度は悠介に言われて、手を引っ張られた。



「さ、行こー!」


…って、おいおい!あたしの意見は無視ですか??


あたしのことなんて無視してどんどん進んで行く、皆さま。









一…誰か助けてー−!!!!!









…あたしは地獄への階段を一歩、登ってしまったのである。



『ヤダ!あたしは一人で行くー!!』


「うるさい。さっきから同じこと何回も言ってんじゃねー!」


うっ。相変わらず、陽呂はきつい!


うわーん!もう泣きたいくらいだし!!!!!







一とうとう着いてしまった・・・・・・。


目の前には花園学園の大きな校門。



今さらもう、なにを言ってもムダってことね……。
 
 
< 87 / 183 >

この作品をシェア

pagetop