LOVER'Sハウス


「なんでってねー…とにかく、言うのよ??それが紗来のためなの!」



どうして?…みんなに言うことがあたしのためなの??

…でも、またあたしのことでみんなに迷惑はかけられないよ…。今までも、色々助けてもらってきたんだもん。


だから…今回のことは、あたしが一人で解決しなきゃいけない。原因はあたし自身なんだから。



「紗来?分かった??」


『…あ、うん。』


春奈…ゴメンね。もう隠し事はなしって言ったのに…裏切ってゴメン…。ウソついてゴメン…。


一でも、今回のことはあたしが自分で解決する。みんなにも…春奈にも迷惑はかけない。



・・・だから…許してね…。







一その日からあたしに対するいじめが始まった。




…毎日上履きがなくなってたり、体育のジャージが破られてたり…時には教科書に落書きが…。


「バカ」とか「消えろ」
…そんな言葉がいつも書かれていた。


泣きそうだった。…でも、泣いたらダメ。ここで泣いたら、負けになる。みんなにも心配かけちゃう。



一…あたしの唯一の救いは…机に落書きされないことだった。


机にはいつも、落書きはなくて隣の席の真斗に見られる心配はなかったから…。 
 
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