LOVER'Sハウス


一あたしは必死に誤魔化した。


『あ、これ??さっき目にゴミ入っちゃって。こすっちゃったからかな』

一…精一杯の言いわけ。



お願い…気付かないで…。


「…ふーん。……あのさ、なんかあった?」


『え??な、なにもないよ?どうして?』


「…最近なんかいつもと違うような気がして…。ちゃんと笑えてないし…なんかあったのかと思って。」


…刹那…。刹那は気付いてたんだね。あたしが本気で笑ってないって。…なにかあったんだって…。




一ありがとう。あたし、いつも心配かけてばかりだね。ゴメンね…。





……でも、これだけは言えないの。もう刹那にも、みんなにも心配かけたくない。…だから…あたしのことなんて気にしないで…。






『…なんでもないよ。あたしはいつも通りだよ??』


「…ウソつくな。」


『ウソじゃないよ。ホントだよ?』


「…ウソだろ。ホントのこと言えよ。」


『…ウソじゃないってば!あたしのことなんてほっといて!!』



一とうとう言ってしまった。…刹那はなにも悪くないのに……。こんなのただの八つ当たりだ…。
 
 
< 98 / 183 >

この作品をシェア

pagetop