☆スィート&スパイス☆
街からずっと離れた公園のベンチでボロボロと泣いていた。

『お姉さん、どうしたの?大丈夫?』

黒っぽいスーツを着込んでコーヒーを手に持ってる若い男の人が声を掛けた。

人と話したくないのでずっとだまっていた。

『俺、真二。この近くに住んでるんだ』

『なんかあったの?』

真二はずっと話してた。

ただ黙々と。

気持ちが落ち着いてきた頃に心配そうに…。

『暗くなってきたから1人じゃ危ないよ。帰んないの?』

大きくうなずいた。

『そっか。じゃあ、帰るまでここにいる。』

風が強くなってきた時、真二の上着が肩に掛けられた。

『あなたが風邪ひいちゃう。』

『やっとしゃべってくれた。俺のことは気にしないで。勝手に付き合ってるだけだから。』
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