苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「うんっ。
 ねぇ、今日学校で将来の夢っていうの書いたの。
 私、お兄ちゃんと結婚するって書いたんだ。
 みてみて?」

手に持っていた紙を広げて見せてくれる。

それは、4等分されていて、
20歳 大好きな人と結婚
25歳 二児の母

でも、左側は空欄だった。

「続きは書かないんですか?」

「だって、良くわかんないんだもん。
 30歳って、私、何してる?」

「さぁ、何をしてるんですかね?」

俺も一緒に首を捻る。

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