苺祭的遊戯(ショートストーリー集)

・ためらいの恋1(09.06.16)

躊躇いの恋で10のお題

01. 僕と彼女の一定距離


「ベット」

俺は無表情でそう言った。
ギャラリーがざわめくが、気にしない。

相手はひどく不服顔で俺を見ている。
知ったことか。

「……ベット」

向こうも、勝負に出た。

見届けるまでもない。
当然、勝負は俺の勝ち。

大量のチップが今夜もまた、金に変わる。
それだけのことだ。


ポーカーなんて、命を賭けた日常を過ごしている俺にとっては、簡単すぎるつまらないゲームの一つ。

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