苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「とりあえず、今日は帰りませんか?」

紫馬さんに誘われるがまま外に出る。
待っている車の後ろには、都さんが座っていた。

にこやかに笑って俺に手を振っている。

「……都さん。
 ここに来てはいけないって言ったじゃないですか」

思わず説教口調になるのは、彼女のことが心配だからだ。
こんなところを動き回る連中に、彼女の姿を見られたくは無い。

「パパも一緒だから、大丈夫でしょう?
 ね、たまには休まないと身体に毒よ?」

俺の想いを知っているのか。
彼女は屈託なく笑ってみせる。

(次ページへ)
< 131 / 196 >

この作品をシェア

pagetop