苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
もちろん、誰にも相談なんてしない。

清水に言ったら、パパと大雅に筒抜けだろうし。

大雅に知れたら、学校辞めさせられても困るし。
パパに知れたら、……紹介しろって迫られても困るし。

ほら、私が一人で何とかするしかないじゃない。

ま、とりあえず学校内の元締めは3年生の女子だってことが分かったので、私はまず、その先輩に接触を試みることから始めることにした。


――否。
しようと思った、けれど。

彼女の名前が良くなかったの。


西村先輩――。

絶対とは言わないけれど、名前に方角が入っている場合、向組の関係者である可能性が高いのよね。

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