苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「大雅が帰ってくれて嬉しいわ」

口角をあげてそう言う私を見て、大雅はあからさまに表情を曇らせた。

私、何かまずいことでも言った――?

「言いたいことは、まさか、それだけってわけじゃないですよね?」

「ど、どうして?
 淋しかったーとかって、抱きついたほうが良かったかしら?」

私はすっとぼけてそう答える。

「それも捨て難いですけど」

言って、大雅は肩を竦める。

「学校内で売春斡旋クラブが流行っているって話は、教えてくれないんですか?」


ギクリ。

思いがけない言葉に、私はあからさまに顔を引き攣らせてしまった。

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