苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「ええ!?
 うちの学校にそういうのがあるんだぁ。
 大変っ」

続けて言ってみたけど、もう、手遅れみたい。

私がアイスを食べ終わったことを確認すると、大雅は強い力で私を引っ張って部屋へと連れて行く。


そうして。
クーラーのまだよく効いてもいない暑い部屋の中で、私を強くその腕の中に抱き寄せた。

「……大雅?」

「関西でその噂を聞きつけた私が、どんな想いで急いで帰ってきたか、少しは察してください」

耳に入るのは、切ないほどに辛そうな声。

(次ページへ)
< 137 / 196 >

この作品をシェア

pagetop