苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「ああ、伸彦。
 アヤちゃんは、大丈夫だって?」

ドラムスティックで手首を解しながら、うちのドラマーがやってきた。

「うん。
 大丈夫、だよね?」

ヒコがちらりと私を見た。
仕方が無いので、悪態をつく。

「あれほど、曲順込みで練習したのに。
 納得はいってないけどね」

「おやおや、相変わらず手厳しいことで」

ドラマーは、わざとらしく肩を竦めて見せた。

「そういえば、ファンクラブの会長自ら姿見せてたねー」

「あ、ついにチカちゃんが会長の座をGETしたの?」

「俺の情報網に、狂いはねぇっつーの」

……はい?

二人の会話についていけず、私は首を傾げる。

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