苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「ファンクラブって、何よ」

一人、会話からおいてけぼりにされるのは、納得行かない。

「あれ?
 アヤちゃん知らなかったっけ。
 伸彦にファンクラブがあるっていう噂」

「噂は知ってるけど、あれは物の喩えなんじゃないの?」

ファンクラブが出来るって言われるくらいに、彼のファンが多いって意味、だよね?

「違うよー。
 会員証、見たことあるもん、俺」

ドラマーが楽しそうに笑う。

「……私、そんな偉大な人とバンド組んで、殺されない?」

大げさに言って、眉を潜めた。
発言はオーバーだけど、女の子たちのパワーが怖いのは事実。

「おや?
 それもご存じない?」

ドラマーくんは、持って回った台詞で私の心をかき乱す。

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