苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「じゃあ、どういう感覚よ。
 嫌いなわけじゃないんでしょ?」

桃子は引き下がらない。

「うーん……嫌いじゃないけど。
 こう、キスとかは考えられないって感じ。
 上手くいえないけどさぁ」

「ああ、兄弟、みたいな?」

「……うーん、ちょっと違うんだけど。
 だいたいそんなもんかな」

私は説明を途中で打ち切る。

「でも、好きなんでしょ?
 嫌いな奴とわざわざ買い物になんて行かないよね?」

桃子は追い討ちをかけてくる。
私は口を開いた。

「そうね、まぁ。
 好きっちゃぁ好き、かな?
 人として」

「そういうもん?」

桃子は不服そうだったが、その話は教授が教室に入ってきた時点で打ち切りになった。


Fin.
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