苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「違うって。
 アヤちゃんって、伸彦と付き合いたいんじゃないの?」

「……どうしてですか?」

私は首を傾げる。

「どうしても何も。
 そういう風にしか見えないんだけど」

「……ふぅん」

そう見えるといわれても、気持ちは違うのでどうしたらよいのか良く分からない。

「だっていっつも、仲の良い子犬同士みたいにじゃれあってるじゃない」

「……恋人とは子犬のようにじゃれあったりはしないのでは……」

「するわよっ」

先輩の頬が僅かに紅潮した。
ま、趣味なんて人それぞれだから、追及はいたしませんが。

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