苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
私は後輩たちに引っ張られて、いつの間にかヒコの傍に居た。

「城崎先輩っ
 優勝おめでとうございますっ」

二人の後輩は声を揃えて、ヒコに喋りかけた。

「ありがとう」

振り向いた瞬間、きっとヒコの瞳には私も入ったに違いない。
彼は不意に足を止めた。

「……優勝、おめでとう」

仕方が無いので、そう言って見る。

「羨ましいだろ」

ヒコはくすりと笑った。

……腹が立つ。

ともいえず、私はあいまいに目を逸らす。

「ねぇ、アヤ先輩っ」

後輩に促されるままに、写メを頼む。

「ここじゃ面倒だから、部室に行かない?」

「……つっか、面倒なら着替えればいいんじゃない?」

私の答えは間違ってないと思うんだけど。
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