苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
ヒコは不機嫌な顔で私を睨む。

「アヤ、お前はどうしてそう、いつもいつも人の急所を狙い打ちにするかな。
 ある意味すげぇわ」

「何よ、それ」

急に不機嫌になられても、困る。

「今日のうちに衣装合わせしようーって会長に誘われて、服を脱がされた上にとられた俺の立場にもなってみろっ」

あらまー、大変。

「だって、会長が実行委員って知ってたでしょう?」

「……俺も実行委員だよ」

それは存じませんでした。
本当に顔が広くて、活動の幅も広いこと。

「じゃあ、成功してよかったじゃない」

「……同じ実行委員にまで隠して計画することか!?
 これがっ」

言って、ヒコは、チャイナドレスを指差した。

そっか。
気に入ってるんじゃなくて、着替えを返してもらえなくて拗ねてるのね。


だからって、私に八つ当たられても困るんですけど。
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