苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「本当、城崎先輩とアヤ先輩って仲がよくて羨ましいです~」

後ろから、後輩の声が聞こえてくる。
この状態のどこをどう見たら「仲良く見える」のか、教えてもらいたい。

一方的に怒っているヒコと。
今更謝るのも馬鹿馬鹿しいと思っている私。

落としどころなんて見つかるはずもなく、くだらない言い争いを続けながら部室に向かう。

とはいえ、なんとか後輩の希望通り、ケータイでの写真撮影には応じてくれた。

「ついでに、アヤ先輩もとってあげますよーっ。
 ケータイ貸して下さいっ」

言われて、つい、私は後輩にケータイを渡してしまった。

「そうだなー。
 女装した男に負けた気分を、味わうといい」

ヒコがくつくつと笑いながら言う。

「……最低っ」

拗ねた私の後ろに、ヒコが手をまわして、必要以上に頬をくっつけてきた。


そう、仲の良すぎる女友達同士みたいに。

「笑わないと、余計に不細工に写るんじゃね?」
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