苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
・衣装4(09.06.01)
衣装で5のお題
4.丈の合わない服
「本当に変わらないですね」
「でしょう?
昔っからおてんばなのよ。
おしとやかな私とは大違い。
一体、誰に似たのかしら?」
「お父様ではありませんか?」
「まさか。
そんなバイタリティーがあったら、今頃ノーベル賞の一つや二つ、とっているはずじゃない」
……気の毒なお父さん。
私は、テンションの高い二人の会話に、中途半端に耳を傾けながら、仕事を頑張っているはずの父親に同情せずにはいられない。
私の昔の写真の整理を手伝って、と。
久々の休日に私とキョウを実家に呼び出したのは、私の母。
そして、私なんかよりもずっと母親に敬意を払っているキョウがその誘いを無碍に断るわけもなく。
天気の良い日曜日の昼下がり、私たちは応接室で顔を突き合わせている、と、いうわけ。
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4.丈の合わない服
「本当に変わらないですね」
「でしょう?
昔っからおてんばなのよ。
おしとやかな私とは大違い。
一体、誰に似たのかしら?」
「お父様ではありませんか?」
「まさか。
そんなバイタリティーがあったら、今頃ノーベル賞の一つや二つ、とっているはずじゃない」
……気の毒なお父さん。
私は、テンションの高い二人の会話に、中途半端に耳を傾けながら、仕事を頑張っているはずの父親に同情せずにはいられない。
私の昔の写真の整理を手伝って、と。
久々の休日に私とキョウを実家に呼び出したのは、私の母。
そして、私なんかよりもずっと母親に敬意を払っているキョウがその誘いを無碍に断るわけもなく。
天気の良い日曜日の昼下がり、私たちは応接室で顔を突き合わせている、と、いうわけ。
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