苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
気まぐれに蛍は飛び去っていく。
直後。
隣から手が伸びてきて、私の手を掴むとそのまま胸の中へと抱き寄せられた。
「ユリアは何処に行っても人気者だな」
その低い声は、冗談なのか、妬いているのか。
……まさか、ね。
「蛍が気まぐれにやってきただけよ?」
キョウは私の言葉を聴いているのか居ないのか。
長い指を顎にかけ、強引に持ち上げるとキスをした。
「前もそんなこと言って、大変な目にあったのに?」
唇を離すと、ふわりと笑って言う。
「だって」
そんなこと言われたって、なんでもかんでも魔界のモノかもしれない、なんて疑いながら生きていくわけにはいかないじゃない。
(次ページへ)
直後。
隣から手が伸びてきて、私の手を掴むとそのまま胸の中へと抱き寄せられた。
「ユリアは何処に行っても人気者だな」
その低い声は、冗談なのか、妬いているのか。
……まさか、ね。
「蛍が気まぐれにやってきただけよ?」
キョウは私の言葉を聴いているのか居ないのか。
長い指を顎にかけ、強引に持ち上げるとキスをした。
「前もそんなこと言って、大変な目にあったのに?」
唇を離すと、ふわりと笑って言う。
「だって」
そんなこと言われたって、なんでもかんでも魔界のモノかもしれない、なんて疑いながら生きていくわけにはいかないじゃない。
(次ページへ)