苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「それだよ、龍星。
どうしてお前ともあろうものが私に気を遣うのだ」
ほぉ、と、龍星は心の中だけで目を丸くした。
「気を遣った覚えなどありませぬ」
「では、千に対しての気遣いだと?」
龍星は顔をあげない。
無表情を保っている自信はあるけれども。
「……もう一度占えとは言わぬ。
だが、真実を私に知らせるべきだ。
違うか?」
「御子の星は輝ける太陽。
その将来は順風満帆。
何ら問題の翳りなし。
……それでは、ご不満だと?」
ことさらに声を抑えて問う。
「不自然すぎる。
それが信じられるような世の中ではない」
(次ページへ)
どうしてお前ともあろうものが私に気を遣うのだ」
ほぉ、と、龍星は心の中だけで目を丸くした。
「気を遣った覚えなどありませぬ」
「では、千に対しての気遣いだと?」
龍星は顔をあげない。
無表情を保っている自信はあるけれども。
「……もう一度占えとは言わぬ。
だが、真実を私に知らせるべきだ。
違うか?」
「御子の星は輝ける太陽。
その将来は順風満帆。
何ら問題の翳りなし。
……それでは、ご不満だと?」
ことさらに声を抑えて問う。
「不自然すぎる。
それが信じられるような世の中ではない」
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