苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
ぱちん、と。
扇を閉じて付き人を呼んだのは帝。
「龍星は今日はもう帰るそうだ。
折角だから、毬をここに呼んでやれ」
「かしこまりました」
しばらくすると、毬がやってくる。
ふうわりと微笑む彼女の身体には、赤子特有の甘い香りが残っていた。
「龍、ここに居たのね?」
無邪気な微笑みは愛らしいものだが、龍星は不安を感じずにはいられない。
帝の視線に晒されていることにさえ、我慢出来なかった。
「帰りましょう」
乱暴に近い強引さで彼女の手を掴む。
(次ページへ)
扇を閉じて付き人を呼んだのは帝。
「龍星は今日はもう帰るそうだ。
折角だから、毬をここに呼んでやれ」
「かしこまりました」
しばらくすると、毬がやってくる。
ふうわりと微笑む彼女の身体には、赤子特有の甘い香りが残っていた。
「龍、ここに居たのね?」
無邪気な微笑みは愛らしいものだが、龍星は不安を感じずにはいられない。
帝の視線に晒されていることにさえ、我慢出来なかった。
「帰りましょう」
乱暴に近い強引さで彼女の手を掴む。
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