Sweet Citrus Love 〜甘甘柑橘な恋〜


アタシたちは先生に何言われることなく、ただ、廊下に残された。


クラスの子は誰一人として、口を開かなかった。


クラスの女子の何人かは、泣いていた。


おそらく、翔吾に想いを寄せていたのだろう。


アタシの隣では、沙織が泣き崩れていた。


アタシはそんな沙織を見るに見かねて、


「沙織…大丈夫?」


と言うと、


沙織が顔をあげ、涙でぐちゃぐちゃの顔でアタシをキッと睨んだ。


アタシは訳が分からず、


「…どうしたの?」


「ななせ、あんた最低!!」


アタシはただ立ち尽くすだけだった。


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