Sweet Citrus Love 〜甘甘柑橘な恋〜


「そしたら『いるよ。身近に』って言ったの。アタシは『誰?』って聞いたら、翔吾は素直に教えてくれた。『ななせ』ってね。」


その言葉を聞いた時アタシは言葉を失った。


アタシ、翔吾のこと…


「…嘘、嘘でしょ!?」


「嘘じゃない!冗談でこんなこと…」


沙織は最後まで言い終わらないうちに口をつぐんだ。

「ななせ、最後まで聞いて?」


「ん」


「それでね…、ちょうどその時アタシたちの前をななせ達が通ったの。しかも、2人は手を繋いでた。

アタシはその光景を見た時、ものすごく胸が痛んだ。たぶん翔吾の方が辛かったと思う。でも、翔吾は何事もなかったようにアタシに接してくれた。その時アタシは凄く凄くななせを恨んだ。でも、それだけじゃない!」

「え?」
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