姫に王子のくちづけを…
新しく出来たそこは
…想像通り
人が多かった
何がオープンセールよ!
私…人ごみ苦手なのに…
『ひゃー人たくさん!早く行こうよ!』
「えっ…ちょっと!そんなに引っ張らないで!」
ぐいぐいと手を引かれて中へと入っていく
繋いだ手が
汗ばんでくる…
『えーっと…奈津実が欲しそうな物は3階だな
じゃあ1階には用無し!』
案内板をチラッと見てから
その長い足で颯爽と歩き出す
…それについてく私は一苦労
小走りになりながら前を歩く晴臣についていく
エスカレーターに乗ってやっと止まることができた
「はぁ…晴臣、歩くの早すぎるんだけど」
『え、そう?だけどちょっとわくわくしない?』
早くも息切れしている私と
ニコニコと笑顔の晴臣
2階も素通りし
3階で今度はゆっくり歩き出した