姫に王子のくちづけを…
いやいや
もう少しの辛抱だ
これが終わったら帰れる…
…はずだった
『突然の仕事で悪いけど…明日配る生徒手帳を教材室から取って来てくれないかな?』
笑顔が可愛い女の担任に頼まれて
入学式早々雑用を任せられた不憫な私…
「…なんで私に頼むのかな」
まだ教材室がどこにあるのかさえわからないっつーの!!
奈津実も家の事情とかで先に帰っちゃったし…
何とか教材室を見つけた私は
その苛立ちを見つけた生徒手帳にぶつけて乱暴に扱っていた
バンッ
…もう、さっさと帰ろ
ドアを八つ当たりをするように開いた
そのとき
ふと、あることに気づいた