姫に王子のくちづけを…
彼方はその後ずっと空を見上げていた
その顔は
昔を背負って悩んでいる顔でも
昔のように何もかもに無気力になっている顔でもなかった
その瞳には
今この場にはいない
この世で1番愛しい人の顔が映し出されている
だがそれと同時に
片思いであると言う現実に痛みを負い
無意識に鞄の取っ手を握り締める
だけど
もう昔みたいな弱い心じゃなく
強い
大切な人を守りたいという
強い心が存在している
【彼方SIDE 終】