姫に王子のくちづけを…
『こないだのお礼がしたいんだー!』
…晴臣にそう言われて
放課後
誰もいない教室で待っている
空の色は
だいっ嫌いな赤い色
…お礼がしたいんだったら
私を早く帰らせてくれるだけでいいからっ
それだけで十分だから!
「何で晴臣の部活が終わるまで待っていなきゃいけないのよ」
晴臣のゴーイングマイウェイさは
もうそろそろ直して欲しい…
まあ…それで待ってる私も私だけどね
ガラガラ
音のしたほうを向くと
よっぽど焦って来たのか
ユニフォーム姿のままの晴臣がやってきた
『はぁ~疲れた…』
「遅い!」
『これでも部活終わってから全速力でやってきたのに…』
息切れをしているところを見れば
それはすぐに分かる