姫に王子のくちづけを…







_________...




『返事は今日じゃなくていいから』



そう言われてその間の記憶が無いまま家に着いた




家に帰っても


私は放心状態で


ご飯を無理矢理胃の中に詰め込んだ後


リビングで面白くもないテレビを眺めていた







…今日はお母さんは地区のなんたらかんたら…よく分かんないけど会みたいなものがあって出かけていったし

お父さんはまだ残業中みたいで帰ってこない


いや…もしかしたらパチンコでもやってるんじゃないか?



…まあ、その話はいいや





だから今日は大好きなお兄ちゃんと2人っきりなのに


全然心が晴れない







『ゆぅ…お前おかしくね?これお前の好きな芸人じゃないっけ?』





お兄ちゃんが私の隣に座って


私の顔を不思議そうに眺めている






…そうだろうねぇ

いつも1人で「はぁ?何で3番にすんの!」


とかってテレビに突っ込んでる妹が


今日はドラマでもないのにこんなにおとなしく見てんだもんねぇ









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