姫に王子のくちづけを…





「ねえ…お兄ちゃんって彼女に告白した時
…怖くなかった?」






お兄ちゃんには付き合って1年くらいの彼女がいる







『…怖い怖くないの問題じゃねーよーな気がする』



「それってどういう事?」







テレビはついているのにボリュームが0になっているような


音ほどが聞こえないみたいな空間







『告白ってさ、今の状況が嫌だから変えようと思うんだろ
だとしたら、言って後悔する時もあれば言わなかった事を後悔する時もある

言わなくて良かったと思うときもあれば言ってよかったと思うとき


…たとえそれを言ってその人の態度が変わるのが怖いと思っても、その時の時間は取り戻せないんだ』





お兄ちゃんは真面目とはかけ離れている人だけど

勉強しないのに
そこそこ頭がいいから私がお兄ちゃんの言葉を理解するのに少し時間がかかった








「うん…お兄ちゃん不真面目なのに眼鏡似合うもんねー」



『…お前の頭の中はどうなってるんだ?』



全然話かみ合ってねえんだけど






横を向いてても

お兄ちゃんが声を抑えながらけたけた笑っている顔が想像できる




器用だよね~

声抑えながらけたけた笑うって


…あ、もしかして私の表現がおかしいだけ?


だけどそうとしか言えない…







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