姫に王子のくちづけを…
「じゃあさ…もしも、もしもだよ
すっごく大好きな人には嫌われてるの分かっていて
…その時に最近気になり始めた人にスキって言われたら?」
お兄ちゃんはくるっと私のほうを振り向いた
…しばらくジーッと私の顔を見つめていたけど
『俺なら断る』
それだけ言ってまたくるっと前を向いた
「な、なんで?!」
どうしてそんな即答できちゃうの?!
『ゆぅは、嫌われてるほうが好きなんだろ?』
ニヤッと笑いながら聞かれるから
答えにくいったらありゃしない
しかも
何だろこの
全部見通されてる感じ…
「う、うん?」
最後が疑問形になってしまったけど
お兄ちゃんはそれには突っ込まないみたいだ