姫に王子のくちづけを…
「…悲しい」
悲しくて
私じゃダメなんだと言う現実が悲しくて
私自身を見てくれていないということが悔しくて
たとえ話なのに
…こんなにもその姿が想像できてしまう自分が
何だか惨めで
『だろ?だからゆぅにスキっていった奴にも同じようにしねえと
…そいつが可哀想なんだよ、分かるか?』
私は首を縦に振った
言葉にしては言わなかった
一度言葉に出すと
今まで我慢してたものがあふれ出てしまいそうで
言わなかった
…言えなかった
その間もずっと頭を撫で続けてくれた
優しい手…
『好きにもいろいろあるんだよ、それがlikeかloveかはゆぅが決めることだ』
like
love
…私の中で
答えが出たような気がした
「ありがと、お兄ちゃん」