姫に王子のくちづけを…
『あ、彼方やっと来た!…ちゃんと由香里ちゃんもいるね』
『当たり前だろ』
??
あの教室に私を呼び出したはずの森永先輩が
ずずーっと和やかにお茶をすすっている
ああ…なんか優香さんが
彼方の家がどうたらこうたら言ってたような…
『彼方、その子は誰?』
口を開いたのは
奥さんらしき人だった
『父さん母さん、これが俺の大切な
…一生かけても守っていきたい奴
だから
千秋との許婚は解消して欲しい』
「な!?…」
父さん?
母さん?
一生かけても守っていきたい奴?
私の知らないところで
話が飛躍している気がする…
まあ…すっごく嬉しい言葉なんだけどさ
その証拠に
私の顔は湯気が出そうなほど熱くなっている