姫に王子のくちづけを…
『ほれっ』
彼方は手のひらを上に向けて
私の目の前に差し出してきた
「ん?…」
これは何の手?
『お手をどうぞ、お姫様』
「な!?…」
赤くなった私の顔を見て
ニヤッと笑いながらさっきの仕返しをする
意地悪な王子様
『あれ~?由香里ちゃん顔赤くない?』
「き、気のせいだって…」
そんな事をいいながらも
その手に私の手を重ねてしまう私は
一生彼方にかなわないでしょう
『……!』
「~~っなによ!」