姫に王子のくちづけを…




ぐぃっ





彼方君が近づいてきた佐野さんの肩を掴んで引き離した






『え…?』




『俺、本当に愛する人以外にはキスされない、しないつもりなんで』





それと、お前の事好きにはならないけど抱くだけだったらいいよ






彼方君は無表情でそれだけ言うと


私が潜んでいた方と反対側のドアへ歩き出した




私は慌てて隣の教室に隠れたから彼方君に見つからずに済んだ






…教室入りづらいな


佐野さんが帰るまで待っておくか







その間ずっと


さっきの彼方君の言葉の意味を考えていた






しない『つもり』と言う事は



まだそんな人がいないと言う事だよね…



て事は、彼方君ってもしかしてファーストキスまだ!?





うわ~、何だか進んでるイメージあったのに…



あ、だけど体の関係だったらいいって言ってたからそっちはもう済んでる…




わ、私何考えてんの~!!






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