姫に王子のくちづけを…



『君、1年生だよね!上履きの色が赤だし…あ、俺も1年な』



そう言いながらがさごそと救急箱の中身を探っている





『君俺のクラスじゃないよねぇ?
…だってこんな可愛い子がいるなら俺ぜってー狙ってるし!
あ、俺の名前瀬良晴臣(セラ ハルオミ)って名前
晴臣って呼んで!君の名前は?』






…何だか良く喋る人だなぁ


クラスのお調子者って感じだよね




「斉藤由香里…」



私はあっけにとられながらも一応答えた







『由香里ちゃんって言うんだね
…由香里ちゃん?…どっかで聞いたことあるような…?』




「あ、私もそう思ってたんだけど…私たちってどっかで会ったことあるかなぁ?」






・・・





一瞬の空白の後





『「ああー!!!」』




「奈津実の従兄弟!」
『奈津実の友達!』




相手を指差して驚くという点までそっくりに
私たちの声はハモった










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